部屋に木を植えることはできないけど、木をのこぎりで切ってかんなを掛けて、玄翁でトントンと組み立てた家具を部屋にひとつ置くことで、いつでも自然を身近に感じることができます。
It's impossible to plant trees in our room. Instead, by means of placing fine made wooden furniture, You can feel nature which includes trees, living things, smells and more.
選材とほぞ先の乾燥が要となる脚物の代表格
椅子は脚物と言われる分野で、基本的には棒状の木を組み合わせてかたちを作っていきます。体重を支える人体系の家具なので、まず大切なことは丈夫であること。ですがあまりにも見た目に重たい印象を与えたり、実際の使用の際に重たいと、自然と使われなくなっていきます。毎日使ってもらう椅子を作るためには、適切な材料選びと加工・仕口の選定、正確で木材の特徴を知りぬいた高度な技術が要求されます。
通常制作日数
5脚 3週間程度
使用ソフト
紙とペン / JW CAD / Sketch Up
使用手工具
のみ / 鋸 / 鉋 / 南京鉋
使用機械
昇降盤 / クロスカットソー / 手押し鉋 / 自動鉋 / ボール盤
椅子の制作は個人にとってはとても難しく、実は手を出してはいけない領域なのかもしれません。なぜなら、厳密な含水率の管理と加工が要求され、それは設備の整った大規模工場でのみ可能だからです。 そしてデザインにおいても個人だと苦戦を強いられます。何台か制作しましたが、専業工業デザイナーの作品には到底及びません。ではなぜ私が椅子を作るのかというと、やっぱり好きだし楽しいからです。
框組で箱のねじれを抑え、軽く丈夫に仕上げる
日本の収納家具は板物(木の板を組み合わせる構造)による櫃などが古来より作られてきました。近代では各地の箪笥が収納家具の代表でしたが、そこに欧米式の框組による箱組の考え方入ってきて、求められる技術が大きく変化しました。板物は材選び、手加工ともに大変難しく、加工できる職人は限られましたが、材選びも加工も容易で、制作後の故障も少ない框組はより大きくて軽く、構造的にも強い収納家具を作ることを可能にしました。
通常制作日数
3週間程度
使用ソフト
紙とペン / JW CAD / Sketch Up
使用手工具
のみ / 鋸 / 鉋
使用機械
昇降盤 / クロスカットソー / 手押し鉋 / 自動鉋 / 角のみ盤
同じ框組でも二次元である建具との大きな違いは、ほぞの相互干渉です。そこを上手く逃げながらしっかりほぞを効かせるために、製図段階から考えていきます。油断できないのは鏡板の伸縮です。ある程度遊びを持たせつつ、かつ縮んだ時に外れないような微妙な寸法で仕上げなくてはいけません。框枠もいつも図面通りに仕上がるわけではないので、実寸から最終的な寸法を決めて木作りをするように気を付けています。
板と板を美しく、正確にはめ込む
指し物とは、箱状の物を作る技術の総称を指す言葉です。 より具体的には、板と板を直角に組み合わせる技法を指し、釘を使った最も単純な打付け継ぎから、高度な手わざが要求される隠し蟻留め継ぎまで、様々な仕口の種類があります。最近では組継ぎを隠さずに意匠として表に見えるように設計することが主流になっているため、より高い技術と見せるアイデアが要求されます。
通常制作日数
10日程度
使用ソフト
紙とペン / JW CAD / Sketch Up
使用手工具
のみ / 鋸 / 鉋 / 差し金
使用機械
昇降盤 / クロスカットソー / 手押し鉋 / 自動鉋
とても楽しい仕事で、ついつい必要以上に凝ってしまうのが指し物です。組継の種類は無限といっていいほど存在し、それだけを研究している木工家もいるくらいです。特に本州の寺院にある賽銭箱などの箱ものに、当時の大工が技術の証明として”遊んだ”指し物的仕事が多く見られ、それを見て歩くだけでもとても楽しいのです。どうやって加工をしたのか、見た目には不可能なように見える物なども存在し、興味は尽きません。
折り畳みできる日本の団らんの中心
ちゃぶ台は昭和中期まで家族の中心でした。狭い部屋でスペースを有効に使うために、使わないときは折りたたんで家具の隙間などに転がして移動することができます。食事はもちろん、お父さんの晩酌台として、子どもたちの勉強机として大活躍しました。一時期家庭内から姿を消してしまいましたが、昨今再びその機能とちゃぶ台を中心としたライフスタイルが見直されています。
通常制作日数
5日程度
使用ソフト
JW CAD / Sketch Up
使用手工具
のみ / 鋸 / 鉋 / 南京鉋
使用機械
昇降盤 / クロスカットソー / 手押し鉋 / 自動鉋 / ボール盤
反りの力が大きくならず、また軽量に仕上げるために、極力薄い天板にします。それに木枠の中に折り畳みの仕掛けを入れたものを取り付けて完成です。折り畳みの仕組みは、コの字型の脚部を立てて、それがぐらつかないように幕板を立てるという昔から変わらない手法です。私は身近にちゃぶ台がなかったので、古民具屋で一台壊れたちゃぶ台を購入し、それを分解採寸して構造を勉強しました。見た目に美しく使いやすいちゃぶ台を作るコツは、思い切って低めに仕上げることだと思います。
started
2004
years
19
私は2004年に技術専門校を卒業して以降、一貫して木工に携わってきました。家具工、インストラクター、個人作家として家具の設計と制作を続けてきました。
学生時代には技能五輪全国大会に出場し、難しい課題に挑戦をし、海外でのインストラクター時代には西洋式の木工と異文化に触れ、そして個人作家として公募展への応募や新しい造形などに取り組んできました。
木工制作の際、最も基本となる考えは、ありがちですが「用の美」です。使いやすいものは必然的に美しくなると思っています。装飾目的の装飾は避けるようにして、無駄がない構造と使いやすさが見た目にそのまま現れるような造形を心がけています。
使用ソフト / 履歴
Webサイトの制作 / 運営
13年
ブログ運営
6年
SEO
2年
Google Analytics
2年
Google Search Console
2年
HTML Living Standard
1年
CSS3
1年
jQuery
1年
Word Press
1年
Adobe XD
6ヶ月
Photoshop
6ヶ月
SCSS
6ヶ月
Visual Studio Code
6ヶ月
JW CAD
17年
2023年時点での履歴です