Rainbow Trout In Toppu-river
つり人を惑わす中空知の奔流
水量が豊富で変化に富み、いかにも大物が潜んでいそうな淵や落ち込みが連続している魅力的な河川。でも、この川はちょっと不思議な川で、コンスタントに釣れることはまずなく、魚の気配が全くしないときもあります。
シーズンの初めからまったく釣れない日が続いていて、ヤケクソになってトップのデカい毛ばりをつけてテンカラをブンブン振りまわしていたら、対岸近くの水面がもりあがって大きな影が静かに私の粗雑な毛ばりを水面下に引きずり込みました。
手元まで寄せると40センチはありそうなでっぷりと太ったニジマスで、フックはグニャっと曲がっていました。久しぶりの一匹が大物だと、嬉しさもひとしおです。
Big Char In Yubari-river
ダムで分断された荒ぶる空知の雄
シューパロ湖の上流は国道と川が並走していて、誰にでも入渓が可能な比較的有名な釣り場です。水はとても澄んでいて、魚の姿が見えるんじゃないかというくらいなんだけど、障害物が少なく単調な流れで、魚が潜むポイントを探すのに苦労します。
このイワナは、水深40センチくらいの比較的浅い、対岸のクマザサが覆いかぶさるゆったりとした流れから飛び出しました。素早いターンをして私の毛ばりを追いかけてきてパクっと食いつくその瞬間まで、全ての動きを観察でき興奮しました。
あまり引かなくて、もしかして特大のウグイなんじゃないかと思ったけど、ランディングネットにおさめると、精悍で獰猛な顔つきの、ネイティブトラウト然とした立派なイワナでした。
Brawn Trout In Mamachi-river
バイカモ揺れる千歳の銘河
千歳、苫小牧方面の川はほかの地域の川と少し違っています。湧水が豊富で水底は砂や小砂利で、ゆったり蛇行する流れが特徴的です。
ママチ川は千歳市内から車で10分程度の、ハンノキやコナラの林のなかを流れる川で、野鳥や草花もたくさん観察できる、とても魅力的な川でファンも多いです。
ブラウントラウトは本当は居てはいけない魚です。それでも不思議と、どこか異国風のこの川の景色によくマッチしています。
Cherry Trout In Yoichi-river
ロマンの川、アユの清流
余市川=釣れないというイメージをお持ちのかたもいるでしょう。私もそんな一人です。でも目の前で特大のニジマスが跳ねるんですよね。だからついつい通ってしまうんだけど、やっぱり釣れない。
そんな、なかなかお目にかかれないニジマスを何とか釣ってやろうと、その日もひたすら毛ばりを川面に落としていました。シラカバの倒木すれすれにトップの毛ばりを流していた時に、水面に変化がありました。
見事にサビの入った美しい魚で、一目でヤマメだと確信しました。このサイズのヤマメにはなかなかお目にかかれないので、この日はこの一匹で満足し嬉々として来た道を引き返しました。
絵について
ユニウォーターカラー/KMK KENT200/Pentax K-x/SIGMA APO DG 70-300/
ここに掲載したトラウトの絵は、全て私が釣り上げた実際のさかなをモデルにしています。といってもその場でスケッチする技量も時間も無いので、まずはきれいに写真におさめてから魚をそっとリリースし、帰宅後にその時の釣りの興奮を思い出しながら何時間もかけてゆっくり書き上げます。